ちかくの支援のものさし
日常は、支援になる。
日常の関わりを通して信頼関係を育み、自分らしく生きる力を支えます
私たちが大切にしているのは、「日常」です。
朝の「おはよう」。
一緒に食卓を囲む時間。
何気ない会話。
笑い合うこと。
ときにはぶつかり合いながらも、相手と向き合い続けること。
そうした特別ではない日常の積み重ねが、人と人との信頼関係を育み、「困ったときには助けを求めていい」と思える安心感につながると、私たちは信じています。
私たちが考える自立とは、「一人で何でもできること」ではありません。
安心して頼れる人や場所を持ち、自分らしく社会の中で生きていけることです。
熊谷晋一郎氏の言葉に、次のようなものがあります。
「自立とは依存先を増やすこと」
私たちは、この考え方を大切にしながら、日々の関わりを積み重ねています。
どの事業においても、私たちが目指すものは変わりません。
日常の関わりを通して信頼関係を育み、自分らしく生きる力を支えること。
それが、一般社団法人ちかくのおとなの理念です。
私たちが大切にしていること
私たちは、子どもを「自立させる」ことを目的にはしません。
子どもが、自分らしく生きていけるように。
困ったときに助けを求められるように。
安心して頼れる人や場所とつながっていけるように。
そのために、日々の関わりの中で信頼関係を育みます。
そして、子どもだけでなく、地域の中にも「余白」をつくっていきたいと考えています。
急がせず、決めつけず、置いていかず、一人ひとりが自分のペースで育っていける関わりと場をつくること。
それが、私たちの支援の土台です。
私たちを支える3つの柱
1.理念
日常の関わりを通して信頼関係を育み、自分らしく生きる力を支えます。
これは、私たちがすべての事業を通して目指すものです。
支援の方法や事業の形が違っても、根っこにある思いは変わりません。どんな場であっても、日常の中で生まれる関係を大切にしながら、その人らしく生きていく力を支えていきます。
2.支援のものさし
正解を示すためのものではなく、迷ったときに立ち返るためのもの。
支援に、絶対の正解はありません。
だからこそ私たちは、「何を大切にして判断するのか」という共通の視点を持ちたいと考えています。
「支援のものさし」は、理念を日々の支援や判断に落とし込み、迷ったときに立ち返るための判断軸です。
これは完成形ではありません。
1年目のたたき台です。
子どもたちとの出会いや、職員一人ひとりの実践を重ねながら、少しずつ育て、更新していきます。
3.余白
急がせず、信じて待つ
私たちは、人は安心できる関係の中で育つと信じています。
だからこそ、変化を急がせません。
すぐに答えを与えるのではなく、一緒に考え、挑戦し、失敗し、またやり直せる時間を大切にします。
私たちが大切にする「待つ」とは、
- 信じて待つ
- 関わりながら待つ
- 見守りながら待つ
- 必要なときには手を差し伸べながら待つ
ということです。
待つことは、何もしないことではありません。
待つことは、子どもの可能性を信じることです。
それが、私たちの考える「余白」です。
支援のものさし
私たちが支援の中で大切にする6つのこと
ここに書いていることは、子どもと関わるとき、職員同士で支え合うとき、そして判断に迷ったときに、私たちが立ち返りたいと考えていることです。
1.信頼関係を土台にする
支援は、信頼関係から始まると私たちは考えています。
安心できる関係があってこそ、子どもは人を信じ、成長していくことができます。
何かを教えることや、できるようにすることの前に、まず「この人は大丈夫」と思える関係を築くことを大切にします。
指導より先に、関係をつくること。
それが、私たちの支援の出発点です。
2.自立を「一人で頑張ること」にしない
私たちが考える自立とは、一人で頑張ることではありません。
困ったときに「助けて」と言えること。
安心して頼れる人や場所を増やしていけること。
一人で抱え込まずに生きていけること。
私たちは、熊谷晋一郎氏の
「自立とは依存先を増やすこと」
という考え方を大切にしています。
誰にも頼らずに生きることを目指すのではなく、安心してつながれる相手や場を持ちながら、自分らしく生きていくことを支えていきます。
3.生活する力も育む
掃除、洗濯、料理、金銭管理など、暮らしていくための力も大切にしています。
ただし、生活技術を身につけることだけが、自立ではないと私たちは考えています。
できるようにすることだけを目標にするのではなく、「なぜそれが必要なのか」「自分はどう暮らしていきたいのか」ということも一緒に考えながら支援していきます。
生活の力を育むことは、ただこなせるようになるためではなく、自分の暮らしを自分なりにつくっていくための支えだと考えています。
4.未来を見すえて支援する
私たちは、目の前の正解だけを求めません。
その場をおさめることや、今すぐうまくいくことだけではなく、その子がこれから先、どんなふうに人とつながり、社会の中で生きていくかを大切にしたいと考えています。
社会に出たあとも、一人で抱え込まないこと。
困ったときに助けを求められること。
失敗しても立て直していけること。
そうした力につながる関わりを、今この場から積み重ねていきます。
5.人として向き合う
私たちは、支援する人と支援される人としてではなく、一人の人と一人の人として関わります。
立場の違いがあったとしても、その前に、互いにひとりの人であることを忘れたくありません。
相手を管理するのではなく、理解しようとすること。
思い通りに動かすのではなく、対話を重ねること。
失敗しても、やり直せる機会があることを大切にすること。
そうした関わりの積み重ねが、安心や信頼につながると考えています。
6.職員同士の信頼関係も大切にする
子どもたちにとって安心できる場であるためには、そこで働く私たち自身も、安心して支え合える関係であることが大切だと考えています。
一人で抱え込まず、仲間を頼ること。
迷ったときには相談すること。
立場にかかわらず、同じ理念のもとで考え、対話すること。
子どもたちに大切にしてほしい姿勢は、私たち自身も大切にします。
職員も、管理者も、理事も、それぞれの役割の中で同じ理念を共有しながら行動していきます。
判断に迷ったとき
支援の中では、すぐに答えが出ないことがあります。
そんなとき私たちは、次の問いに立ち返ります。
- この関わりは、信頼関係につながっているだろうか
- この関わりは、子どもの未来につながっているだろうか
- この関わりは、「依存先」を増やす支援になっているだろうか
- 今の安心と、将来の自立の両方を見すえているだろうか
迷わないためのものではなく、迷ったときに立ち返るための問いとして、これらを大切にしています。
私たちの事業
私たちは、この理念をすべての事業に共通する軸としています。
現在取り組んでいること、これから取り組もうとしていることは、それぞれ形が違います。けれど、どの事業であっても、大切にしていることは変わりません。
- 居場所事業「ちかく」
- 自立援助ホーム「ちかくベース」
- 畑事業「ちかくの畑」
- 相談支援事業(予定)
- 食を通した地域づくり(予定)
日常の関わりを通して、人と人との信頼関係を育み、自分らしく生きる力を支えること。
その理念を、それぞれの事業の中で形にしていきます。
最後に
人は、一人で育つのではなく、信頼できる誰かとの関係の中で育っていく。
私たちは、その「誰か」でありたいと願っています。
特別なことをするのではなく、日々の関わりの中で、安心できるつながりを育てていくこと。
その積み重ねが、その人が自分らしく生きていく力につながると信じて、これからも歩んでいきます。